チームで仕事をしていると、いろいろなことが起こります。
気持ちよく成果を生み出すこともあれば、成果を生み出しても失望感がついてくることもあったり、予想外の模様に戸惑うことも。 今日は、そんなチームマネジメントの難しさについて、エンジニア目線でつらつらと語ってみたいと思います。
「それって私たちの仕事なのですか?」な人との付き合い方
私が仕事で大切にしているのは、厳格な壁を作らず「これは誰の仕事か?」という境界線を越えて、問題の本質に迫ること。 直接関係なくても、間接的に影響があるなら、積極的に首を突っ込んでいったりします。
でも、チームメンバーの中には、壁でもあるかのように「それって私たちの仕事なのですか?」と線を引く人がいます。 当然、感じるのも理解はできるのですが、自分で作ったものをドキュメンテーションすることに対してもそのような形で線を引く人がいます。 その言葉を聞くたびに、心の中で「え、他人事?」とツッコミを入れたくなります。
彼らは一体、何を守っているのでしょうか? 責任を負いたくない? 余計な仕事を増やしたくない? もしかしたら、過去の経験から「言われたことだけやってればいい」と学んだのかもしれません。
以前、チームで新しいプロジェクトに取り組むことになったときのことです。プロジェクト成功のために必要なタスクを洗い出し、メンバーに分担しました。しかし、Aさんは、自分の担当以外のタスクには一切関わろうとしませんでした。「それは私の仕事ではないので」と、まるで決め台詞のように繰り返すのです。
私はAさんの気持ちも理解できます。責任範囲を明確にして、自分のタスクに集中したいのかもしれません。 しかし、プロジェクト全体が成功するためには、メンバー全員が協力し、助け合うことが不可欠です。 Aさんの行動は、チームの結束を弱め、プロジェクトの進捗を妨げる可能性がありました。
これは明らかに、目線がプロジェクトに向いているのか、目の前のタスクに向いているのかの違いなのかなと感じました。 正直なところ、最初は「結局、できないからそう言ってるんじゃないの?」と思っていしまったりもします。
そういう人もいるんだっていうのを理解して、無理強いする気もないのでそのセリフを言われたら私は「了解。じゃぁ自分が担当しますね」と言って作業を巻き取ります。
「考え抜く人」だけでチームを作ることは可能か?
理想を言えば、自分と同じ目線で物事をとらえているといいなと思っています。私の理想としては全員が「考え抜く人」で構成されたチームを作りたい。それぞれの専門知識を活かし、議論を重ねて、最高のソリューションを生み出す。まるで最強のブレーン集団ですよね。
でも、現実はそう甘くない。そもそも、全員が同じように考えること自体が不可能です。それに、「考え抜く人」だけが集まると、それはそれで問題が起こる可能性もあります。
例えば、以前私が所属していたチームは、メンバー全員が「考え抜く人」でした。私たちは、ある問題について徹底的に議論し、さまざまな角度から検討しました。しかし、議論が白熱するあまり、なかなか結論が出ませんでした。私たちは、それぞれの意見に固執し、相手の意見を受け入れようとしなかったのです。
結局、私たちは、問題を解決することができませんでした。それどころか、メンバー間の関係が悪化し、チーム全体の雰囲気が悪くなってしまいました。
全員が「考え抜く人」で構成されたチームは、一見すると理想的なチームに見えます。しかし、実際には、議論が白熱し、結論が出にくい、メンバー間の関係が悪化しやすいなどの問題が起こる可能性があります。
多様な価値観を受け入れる必要性
チームを組織する上で大切なのは、「多様性」を受け入れること。考え方も、スキルも、経験も違うメンバーが集まるからこそ、新しい発想が生まれるし、チームとして成長できる。
私が所属するチームには、さまざまな価値観を持つメンバーがいます。Aさんは、自分の責任範囲を明確にし、タスクを確実にこなすことを重視します。Bさんは、新しいことに挑戦することを恐れず、積極的に知識やスキルを習得しようとします。Cさんは、チームの雰囲気を大切にし、メンバー間のコミュニケーションを円滑にすることを心がけています。
私は、Aさん、Bさん、Cさん、それぞれの価値観を尊重しています。Aさんは、タスクを確実にこなすことで、チーム全体の安定に貢献しています。Bさんは、新しい知識やスキルを習得することで、チームの技術力を向上させています。Cさんは、メンバー間のコミュニケーションを円滑にすることで、チームの結束力を高めています。
多様な価値観を受け入れることは、チームを組織する上で不可欠な要素です。多様な価値観を持つメンバーが集まることで、チームはより強く、より創造的になることができます。
チームの成長に必要なもの:私が意識している3つのこと 個性の強いメンバーが集まるチームを、どうすれば最高のパフォーマンスを発揮できる組織にできるのか? 私が意識していることは大きく分けて3つあります。
明確な目標設定と共有: まずは、チーム全体の目標を明確に設定し、メンバー全員に共有すること。目標が明確であれば、メンバーは自分の役割を理解しやすくなり、責任感を持って仕事に取り組むことができます。
コミュニケーションの活性化: 次に、メンバー間のコミュニケーションを活性化すること。定期的なミーティングや、チャットツールなどを活用し、情報共有や意見交換を活発に行うことが重要です。
お互いを尊重する文化: 最後に、お互いを尊重する文化を醸成すること。メンバーそれぞれの個性や価値観を認め、尊重することで、心理的な安全性が生まれ、自由な発想や意見交換が活発になります。
チームマネジメントは「育児」に似ている?
チームマネジメントって、まるで育児に似ているな、と思うことがあります。メンバーはそれぞれ個性を持った子供のようなもので、成長のスピードも、得意なことも違います。
時には、言うことを聞かないメンバーに手を焼いたり、他のメンバーと比べて落ち込んだりすることもあります。でも、根気強く向き合い、それぞれの個性を伸ばすことで、チーム全体が成長していく。 そのうえで成長が目に見えたらうれしいですよね。
チームマネジメントに正解はありません。 メンバーの個性や状況に合わせて、柔軟に対応していくことが大切です。 これからも、試行錯誤を繰り返しながら、最高のチームを作り上げていきたいと思います。
